バックナンバー

(P 1-2)

ご挨拶
ホーチミン日本商工会会長
脇 郁晴

 

2005年度版「メコンの風」発行に際し、ホーチミン日本商工会(以下JBAH)会員の皆様方から温かいご支援とご協力に与かりましたこと心よりお礼申し上げます。

さて、2005年の日本経済を俯瞰してみますと、前年来の景気回復の足踏みを抜け出し、設備投資、個人消費を中心に回復基調が安定し、12月には日経平均株価も1万6,000円を、時価総額も500兆円を超え、日本の名目GDPとほぼ並び、「空白の10年」に失われた企業価値はあらかた取り戻したことから、『2005年は日本経済の長期低迷がリセットされた年』と言えましょう。

一方、2005年のベトナム経済はGDP8%以上の高い経済成長を維持し、未だ貿易赤字額は多いものの、2005年の輸出額は初めて300億米ドルを超えました。その中で外資系企業はGDP伸張および貿易黒字への貢献が際立って大きく、ベトナム経済の牽引車となっております。ベトナム政府もさらなる外国投資拡大とWTO加盟のため、共通投資法、統一企業法、改正商法、知的財産権法などの法整備をはじめとする投資環境改善に注力した結果、2005年の外国直接投資認可額は58億米ドル(歴代3位)、投資実行額は33億米ドル(歴代1位)と近年にない大きな伸びを示した1年となりました。

特に日系企業にとりましては、今年は中国一点集中のリスク回避として『CHINA+ONE』としてのベトナムへの投資がさらに脚光を浴び、新規投資のみならず既進出企業の生産設備拡張増資も大きな投資ウエイトを占めた年でもありました。

ただ、上述のごとく順調な拡大基調を歩み出した感のある日本・ベトナム両国経済も2006年が始まると、日本経済では昨年末に発生した耐震強度偽装事件の拡大、証券取引法違反事件に端を発した証券市場の混乱など信頼の崩壊現象が発生する一方、ベトナムにおいても年初に『外国企業に対する最低賃金大幅引き上げの政令』が突如公布され、その後ストライキの発生など混乱が拡大し、日系製造企業にも大きな影響をもたらしまし。

このように経済環境が刻々と変化する中、JBAHは設立12年目を迎え、会員数も12月末で303社となり、ベトナムでの事業・投資環境改善にむけた活動が会員の皆様にとりますます重要となった年とも言えましょう。

次に、2005年度の活動について本年度基本方針に沿い概括させていただきます。


1. 商工会活動の一層の活性化


今年度は理事の新旧交代が多く見受けられる中、『会員の会員によるJBAH活動』をモットーに会員各位のJBAH各種活動への積極的な参加を機会ある毎に働きかけて参りました。

その中で、新たに税制・雇用委員会では会員同士の情報交換の場として会員参加の「雇用」「賃金」に関し各々懇談会を開催致しましたが、今後会員各社の身近な問題解決のため、会員双方向の情報交換の場がますます必要となるでしょう。また、税制・雇用委員会では最低賃金問題で2回のセミナーを開催し、当該政令の詳細説明を行うなど臨機応変な対応に努めております。 また、広報・渉外委員会によりホームページの充実を図る一方、組織・規約委員会では商工会組織の簡素化と規約運用の明確化を図るため、組織・規約の改正を行いました。


2. 投資・貿易・事業環境の改善


JBAHとしての最重要課題である投資・貿易・事業環境の改善に関しては、2005年が「日越共同イニシアティブフォローアップ最終年」に当り、各項目の改善度評価を日本大使館・総領事館と協力し実行する一方、「ホーチミン市人民委員会とのラウンドテーブル」にてJBAH会員の抱える問題として、イニシアティブ各項目の改善を具体的に要請致しました。その成果の一つとしてホーチミン市税関局と運輸部会との協議会が開催され、通関業務の具体的な改善が協議されました。このような具体的な問題解決・改善に向けラウンドテーブルは有効に機能しており、今後さらに重要となって参りましょう。


3. 日本人社会への協力


近年急速に増加している在留邦人・家族への支援活動が重要になってきており、2005年度も日本人学校および補習校の運営、在留邦人の健康維持・安全対策、スポーツ文化活動などへの支援を継続して行っております。


4. ベトナム社会への貢献と交流促進


ベトナムに存在基盤を置く会員各社にとり、ベトナム社会から尊敬を持って受け入れられる存在であることは特に重要な意味を持っています。2005年度もJBAHとしてチャリティー活動・奨学金制度を通しベトナム社会への貢献活動を継続すると共に、日本語スピーチコンテスト・日越歌合戦などベトナム人との文化交流事業を支援致しました。


以上2005年度の活動を総括して参りましたが、次の2006年度は様々な困難を乗り越え、経済を含む日本・ベトナム両国関係のさらなる発展のために重要な年となりましょう。

来たる2006年度が、皆様の協力により両国の友好信頼関係がより一層醸成促進されますことを、また各企業のさらなるご繁栄と、皆様のご多幸とご健勝をお祈りしつつ、ご挨拶に代えさせていただきます。