バックナンバー

(P 21-22)

部会別報告
貿易部会

 

1. 部会紹介

貿易部会は前年より4社増えて、現在31社から構成されている。ベトナムにおいては依然として外国企業の輸出入業務に伴う営利行為は認められておらず、契約の当事者にはなれない環境にはあるが、契約をモニターする役、当事者間の意思を双方に伝える役として業務の推進にまさに日夜努力を重ねる面々である。

以下に述べる昨今のベトナム投資ブームの水先案内人としてもまたその先遣隊として乗り込むケースもあり、ベトナムの貿易、投資誘致への貢献度は極めて高いと自負している。貿易部会はそういった会員が2ヶ月に一度集まり、ベトナム国内の法制面の変更に伴う情報交換、勉強会、貿易・投資促進策の協議等を重ねてきた。

2005年は特にWTO加盟に向けベトナム政府は民法、商法、統一企業法、共通投資法等々数多くの法改正を進めたが、対越直接投資(FDI)代表として改正案への意見表明、修正要請等積極的に関わってきた。


2. 2005年のベトナム貿易・投資動向

2005年のベトナム経済成長率は8.4%の見通し。これは中国、インドに次ぐ高い数字で前年の成長率7.7%をさらに上回り、各国の注目を浴びている。輸出に関していえば、原油に次ぐ外貨獲得源である衣料品輸出は中国の対欧米枠規制の撤廃の影響で伸び悩み、目標額52億ドルに対して48億ドルぐらいで終わりそうである。履物、水産物もアンチダンピング訴訟や含有薬品の規制で低迷。しかしながらエレクトロニクス、コンピューター部品、木製品、陶器、ハンドバッグ、傘などが大きく伸長し、輸出総額は318億ドルに達する見通し。

対日輸出は前年比18%増の45億ドルの見通しでこれはベトナム全体の輸出額の14.5%に相当する。対日輸出入総額は100億ドルを超える見通しである。

特に2005年顕著なのがFDIの増加。通貨危機以来最高の58億ドルに上る見通し(新規投資40億ドル、追加投資18億ドル。認可額ベース。前年比25%増)。

日本からの投資は2005年は10月までで6.2億ドルに上り、そのうち新規登録額は前年同期比倍増している。これは中国リスクの顕在化でベトナムシフトが現実に始まったもの。

2003年のSARS流行以来、電力不足問題、人件費の高騰、人材確保の困難、人民元の切り上げと続き、2005年各地で発生した大規模な反日デモで中国リスクが一挙に顕在化した。

2003年4月に小泉、カイ両首相の合意を得て両国政府により策定された日越共同イニシアティブでベトナムの投資環境の改善が後押しされている点も大きい。策定された行動計画44項目をモニターするための評価・促進委員会が2005年2回行われおおむね完了の結論を得ている。

2005年実現を目指したWTO加盟問題だが結果として米国の数々のカウンター要求で実現できなかった。しかしベトナム政府はWTOに合致した法整備を急速に進め、早期実現を目指している。韓国、台湾、中国等からの投資急増もWTO加盟を視野に入れたもの。保険・金融をはじめとする米国、欧州からの投資も増えている。


3. 2006年の経済見通しと貿易部会の活動

ベトナム政府は2006年のGDP成長率を8%と設定。輸出額は16%増の370億ドル。FDI誘致目標額は55億ドルと決めた。中国、インドと並ぶ急激な経済成長はさらに続く。

WTO加盟に向けた二国間交渉で最後に残った、最も要求が強い米国との協議がいつ妥結するのかが注目される。2005年に成立した新法の施行細則が整備されていく。ベトナムでのわれわれの商社活動を規定する法律が大きく変化する年でもあり、従来に増した政府施策への関与、意見具申が求められる年となるだろう。

2005年12月には小泉、カイ首相間で日越経済連携協定(EPA)締結を視野に共同検討会を2006年1月に設置することで合意。ASEANと日本とのFTA交渉も2005年4月から開始され2007年4月までの早い時期にFTA締結を目指すことになっている。貿易部会としてはこのような経済活動の強化を目指す動きに積極的に関わり、時代の大きな節目を迎える情勢を正しく把握しつつ、日越経済活動、なかんずく貿易・投資の拡大に役立ちたいと考えている。