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(P 27-28)

部会別報告
金融・保険部会

 

1. 部会紹介 
金融・保険部会は正会員12社(銀行、保険会社、監査法人、リース会社、ローン事業会社)で構成されている。

 

2. 金融動向
2006年は国内銀の起債や上場等の動きが加速する一方、外銀の活動も新規出店、シェア拡大、出資、提携の動きなど活発化した。またATMが都市部だけでなく工業団地にも定着するなど、一般市民生活においても銀行の利用度が増大してきた。
また、WTO加盟決定によりあらゆる分野で外銀への開放が進むことが確定し、外資100%の銀行設立が可能となることとなったが、これらの動きを受けて、外資への警戒感も高まっている。
政府は株式商業銀行の合併、統合を促す動きを見せているが、地場銀行の脆弱性は従来より指摘されており、今後地場銀行再編が進むものと見られる。
国営銀行については10月にIncombank、BIDV、Agribankの株式化が承認され、全ての国営銀行が2008年を目処に株式化されることになった。しかしながら、国営銀行の不良債権比率は引き続き高水準と言われており、株式化の前提である体質強化は難航するものと見られる。証券分野では、最近でもFPT社の大型上場等、証券市場の拡大が続いている。株価は年央に下落する局面もあったが、年末にかけて上場企業数も100を超え、指数も年明けには1000の最高値を更新した。また、外資との合弁会社設立、外国証券会社の駐在員事務所の開設も進んでおり、現状政府は外資参入を歓迎する姿勢を見せているが、ここでも銀行分野同様、外資への警戒感が早晩出てくるものと思われる。
2006年はファンドの動きも活発化、不動産ファンド等新規ファンド設立の動きが相次いだ。

 

3. 保険動向
これまで急激な発展を遂げてきた生命保険は2006年に入って踊り場に差し掛かった。新規加入の減少と解約の多発である。引き鉄となったのは、銀行預金金利の上昇であった。当地の生命保険市場を牽引したのは一時払い養老保険に相当する貯蓄型保険であり、多くのベトナム人とって生命保険は貯蓄の一形態に過ぎなかったのである。しかしながら生保各社は、今後の中産階級の増加によるマーケット拡大などを想定しており、今後の成長については楽観視している。1位のプルデンシャルと2位のバオベトで80%近くを占めている市場である。
一方、損害保険分野は、バオミン、バオベトを中心としたベトナムローカル損保が約95%のシェアを確保し市場を占拠している。外資系損保の存在感はきわめて低い。その理由は、ベトナム全土に張り巡らせた支店網を利用して自動車保険をほぼ独占していることもあるが、国営企業物件やODA案件、国策プロジェクトから外資系損保を事実上排除している不公正なルールも大きい。この問題は日越共同イニシアティブの議題にも取り上げられておりWTO加盟後の流れの中で改善されていくものと思われる。
2005年に株式化されたバオミンとビナリー(再保険専門会社)がハノイ証券取引所に上場された。今後、国営バオベトも株式化され、上場する計画と報道されている。バオベトは損保、生保、銀行、証券、リース、不動産、投資ファンド、ホテルなどを傘下に抱える金融コングロマリットを目指している。

 

4. 会計動向
ベトナム財務省は2001年より国際会計基準および国際財務報告基準をベースとしたベトナム会計基準を発行している。2005年12月28日に新たに4つの会計基準が発行されている。
基準11:企業結合
基準18:引当金、偶発債務及び偶発資産
基準19:保険契約
基準30:一株当り利益 
これ以降は、最近日本でも話題となっていた減損会計などの導入が予定されている。

 

5. 税務動向 
2006年度からベトナムにも移転価格税制が導入されている。昨今日本では、多くの企業が多額の追徴課税を課されている。移転価格に関しては、売上高や売上原価の修正となる可能性が高いため、追徴金額が多額に上り、また、最近は物ではなく無形資産やサービスへその対象が広げられる可能性がある。これらの無形のものは当局にとっては裁量の余地が大きい。また移転価格税制は、現地法人のみで解決できるものではなく、日本の親会社を含め、会社グループ全体としての税務戦略が必要となってきている。