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部会別報告
第一工業部会

 

1. 第一工業部会の概要 
第一工業部会は、鉄鋼・セメント・ゴムなどの粗材関連5社、電気・エネルギー関連3社、造船・重機プラント関連5社、建機・輸送機器関連8社、合計20社で構成されるいわゆる「重工業部会」である。
活動の中心は、工場見学会や部会・懇親会およびチャリティーを兼ねた親睦ゴルフコンペである。業種が近いこともあり、問題が発生した場合には、会員同士で自由にEメールを出し合える雰囲気の部会であり、貴重な情報交換の場あるいは異業種交流の場になっている。

 

2. 2006年各業界回顧

(1) 鉄鋼産業
社会資本の重点投資により、需要は10?12%の伸びを示し、2006年度総需要量は700万トンに達すると予想される。今後さらに高速道路、地下鉄、港湾、空港、高層ビル等の案件が控え、需要は引続き大幅拡大する。一方ポスコ社他大型投資案件が認可され、近い将来一貫生産による薄板製品も国内生産されることになる。

(2) セメント産業
セメント内需は民間建築投資や公的投資の拡大により年率10?20%で拡大し、2006年も前年比110%増の32百万トン余に達する見通しである。07年も拡大ペースは続くものと予想されているが、国内生産能力不足を補うクリンカ(セメント半製品)輸入は、世界的な需給タイト化・フレート高騰に対して、国際的低水準に据置かれている市況故に近時輸入難に陥っている。このため国際的に通用しかつ増設投資に耐えうる適切な市況構築が焦眉の急となっている。

(3) 石油産業
現在ベトナム南部を中心に、原油約37万バレル/日を生産、約7億5千万scf/日のガスがフーミー等の発電所・肥料工場に供給されている。 近年の油価高騰のなか、ベトナムでも油・ガス田の新規探鉱・開発作業が活発に行われこれまでにベトナム南部で新たに幾つかの油田が発見され、2008年以降の生産開始に向け生産施設建設プロジェクトが始まった。また、大型ガス開発プロジェクトも2009年-11年の生産開始にむけ開発計画が進められている。第1製油所は2009年稼動開始する予定で、さらに第2・3製油所建設計画が進められている。ベトナム政府は、年間18億トンの原油生産量を維持することと、高まるガス需要を満たすべく特に中部以北のガス田の開発を今後の目標に掲げている。

(4) 電力産業
2006年6月時点でのベトナム全土のピーク時電力需要は前年度比12%と高い伸びを示している。ベトナム政府は、発電設備能力の増強、50万ボルトの送電系統の充実化を図っているものの、一方で必要となる設備投資を財政だけでは賄えず、民間資本の利用を政策的に奨励する方針である。民間投資の発電プロジェクトとしては、すでにフーミー2-2およびフーミー3が順調に運営されているが、さらなる外国民間企業からの投資を見込んだガスや石炭での発電プロジェクトの計画が政府にて検討されているものの、プロジェクト実行までに必要な投資環境整備に時間を要している。

(5) 輸送機器産業
①四輪
2004年以降乗用車系車両に対する特別消費税が毎年引き上げられているために、全需が03年の約40千台をピークに下降を続けている。06年は、これに加え5月からの中古車輸入解禁と11月のWTO加盟後の輸入完成車両関税引き下げ期待などが重なり、消費者の買い控えがさらに広がり30千台前後に下がる見通しである。07年以降、特別消費税の問題がなくなっても買い控えの傾向は簡単には解消しそうになく、現地組立をしている四輪産業の将来は予断を許さない状況である。

②二輪 2006年の二輪市場は05年と比べ、以下の理由から大幅に拡大している。すなわち、05年12月にハノイの二輪車登録禁止規制が解除となり、また03年1月から続いていた「1人1台の購入制限」が撤廃されるなど、ベトナム政府の規制緩和策が打ち出されたこと、また各社による新車発売が需要を牽引したこと、である。「購入者本人の住所地以外での登録禁止」、「強制保険への加入徹底」といった規制は継続されているものの、07年2月に「登録時の運転免許証提示義務」が撤廃されるなど、さらなる規制緩和が検討されている。しかし、07年度はWTOの実質加入年であり、二輪車価格が安くなるとの期待感から、買い控え現象が発生し、市場の拡大は減速することが懸念される。