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部会別報告
建設部会

 

1. 部会紹介

2008年12月現在の運輸部会会員数は36社である。業種別内訳は航空会社2社、海運会社3社、検査会社2社、コンサル1および物流会社28社で構成されている。

 

2. 2008年度の活動状況

(1) 定例活動
①定期的に部会を開催し、部会前に開催されたホーチミン日本商工会(以下JBAH)理事会の討議内容報告と運輸部会関連諸問題の討議を行った。
②部会員各社に関連するインフラ・税関・港湾および空港ターミナル施設等に係る問題について討議。また依頼事項があれば、部会として取りまとめJBAHへ報告。
③JBAHならびに総領事館からの連絡及び情報については迅速に会員各社へ連絡し情報の共有化を図った。

(2) 特別活動
①ホーチミン市税関局との意見交換会については、交渉の場を日越共同イニシアティブWT会議に移し南北合同の意見提出を図ることとした。
②また、別途本年度最終月09年3月にホーチミン市人民委員会とのラウンドテーブルが予定されており、これに併せ部会意見聴取の予定。
③部会会員企業としての一番の課題であるインフラ・税関・港湾および空港ターミナル施設等の改善について、WTの場でのベトナム政府への働きかけ等を通じて施設に関する現状は少しずつ改善の傾向にある。しかし、依然運用面で税関による関税評価基準が曖昧であったり、都度の申請に対する解釈が地区管轄税関毎で一定しない、各施設管理部門からの不正な要求がある等々課題は多い。これは一朝一夕に改善は難しいものではあるが今後も部会として通関業務を自社で行う会員を抱える各工業部会への呼び掛けと併せ、行政当局へ改善を働きかけていく。
④会員の親睦を目的としたゴルフコンペの開催。
会員の懇親を深めるため、3ヶ月に1度のチャリティーゴルフコンペを開催し、会員のより一層の親睦を深めた。
⑤JBAH行事への参加と支援。

 

3. 業界の動向

(1) 航空貨物業界 航空貨物の主な取り扱い品目は衣料品、水産物、生花が全体の60%を占め、残りは二輪を含む自動車部品、電子・機械部品、食品等々が増える傾向は07年と変わっていない。07年WTO加盟が承認されたことにより、09年より国内流通市場の開放も予定されており、これを見込んだ流通業の進出も動き出すなかで、今後は航空貨物に依る取扱い品目も多様化していくことが予想される。 
例年であれば、年末クリスマス商戦に向けた縫製品等雑貨の出荷増で秋口より輸出航空貨物スペースは特に欧米・日本向けで混雑を極めるが、今年は金融不況の煽りをまともに受け、ターミナルもそれ程の混雑は見られなかった。地場および韓国台湾系製靴・縫製輸出企業等の不振も伝えられる中で、09年はさらに航空貨物市場環境の悪化、航空会社の路線縮小等々が予想される。
一方で、今後ASEANの共通効果特恵関税(CEPT)を利用する域内向け輸出入の割合が更に拡大していく事が予想され、日本とのAJCEP合意も今後効果を発揮し、航空貨物市場拡大に繋がることを期待したい。
08年1〜9月の実績では、ベトナムの日本向けの輸出が6,739トンで前年比11.2%の伸び、日本からの輸入が4,228トンで13.9%の伸びを示した。

(2) 海運貨物業界
海運貨物業界は引き続き04年からの好況を継続し極めて好調な荷動きをしている。08年10月までの統計では、金額ベースで対前年同月比は輸出で36.8%(総額535億2,000万ドル)、輸入で46.8%(総額705億ドル)の大幅な伸びを記録した。
主な輸出品は、繊維縫製品、原油、水産物、履物、電子機器、木材・木製品であり、縫製品が原油出荷額を上回った。また、輸出税の影響もあって米の輸出は減少した。主な輸入品は、機械・設備、石油製品、鉄鋼、衣料原材料、生地、電子機器、合成樹脂、四輪車となっており、品目別順位は07年と全く同様であった。また、航空貨物市場と同様、海運市況も9月以降は大幅に軟化し、8月まで昨年比で20%以上の高成長率を誇っていたものが、10%台前半の伸びに低下した。

(3) 輸出入通関業界
2005年6月、政府法令に従い公式運用が開始された通関オンラインシステムはホーチミン市とハイフォン市で導入され、後に各省にも運用地域が拡大されているが、税関当局のインフラ整備、運用管理体制が十分とはいえず完全EDI(電子データ交換)化にはさらに時間を要する。具体的には、輸出入者あるいは通関業者側がウェブ上で入力したデータが実際の申告に活かされず、引き続き紙ベースでの申告書類を要求されている、輸入通関への適用が十分でない、輸出加工企業の免税リスト管理運用に活用できない等々そのメリットがほとんど活かされていない。これには通関士制度の確立と併せて日本の輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)に相当する船会社、航空会社、ターミナル会社、銀行等々も併せた包括的なシステム構築と運用の一体化が必要であり、さらなる資金援助も含めた日本政府からの支援対応が望まれるものでもある。

 

4. まとめ

チャイナプラスワンとして注目を浴びて以降、日系企業の進出が一層加速した当地にあって、我々物流業界もマーケット拡大を支えるべく努力してきたが、港湾・空港インフラの充実に向けた関係省庁への取り組み強化、中越・東西回廊・第二東西回廊ルート等拡充のための交通行政を含めた多国にわたる行政への働きかけ、ハノイのベトナム日本商工会とのWT共同提案等々突きつけられた課題は多い。これに当たっては会員相互の問題意識統一や実務部分での問題点掘り起こし等が重要であり、当部会活動に関して今後も一層の活発化が望まれる部分である。