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部会別報告
第一工業部会

 

1. 部会紹介

第一工業部会は、火力発電所、海洋石油開発、セメント、鉄鋼、自動車(四輪、二輪)及びタイヤ、ハーネス等部品、板ガラス、建設機械、産業機械、精密機械等、重化学工業製品の製造・輸出・国内販売を主とする会員からなる。2008年度は、12月までに、新会員2社を加え、正部会員22社、準部会員5社の合計27社になった。また会員の所在地もホーチミン市以外に、バリアブンタウ省、ドンナイ省、ビンズオン省他にまで及ぶ広範囲にある故、頻繁な交流は、物理的にはかなえない中、数ヶ月ごとの定期の部会やチャリティーゴルフコンペを通じて、できるだけ親睦を図りまた異業種情報交換を行ってきた。部会では、ストライキを含む労務問題、給与改訂、駐在員生活に係る問題につき、興味ある情報を共有できた。


2. 全般業界情勢


好調なベトナム経済や海外需要に支えられ、今年度前期においては、各社とも最高益を記録した。旺盛な建設需要に支えられ、建築資材の鉄鋼、セメントは需要に追いつくことができず、また中国市場の巨大な需要から、原料高騰を招き、日時の相場変動に悩まされたという。大規模設備投資型産業である重工業は、急激な市場の変化に対応するのは苦手である。
好景気が一変した後期においては、ほとんどの業界で売り上げが一気に30%以上のダウン、2008年8月以降は、在庫調整に入り、例年最も生産販売が伸びる12月に入っても、20%程度のダウンを免れない状況にある。特に自動車関連企業は、米国ビッグ3危機に始まり、日系自動車メーカーが軒並み売り上げダウン35%から50%を強いられ、その影響は、現地工場の操業調整に及んでいる。特に輸出メーカーに大きく影響が出た。
タイヤ業界では、ビンズオン省の新工場がフル稼働でタイヤ生産してきた。常に受注量の10%から30%までしか納入できないほど、タイヤ需要は大きい。経済危機に入った後期、11月から受注は落ち始めたが、それでも20%減程度であり、旺盛なタイヤ需要、特にモータバイク用は衰えがないという。ベトナムのタイヤマーケットは、未だ元気であり、不況にあってもまだまだ期待できるという。
石油・天然ガス開発販売においては、国際石油価格の急騰による市場価格の変動に振り回された。08年5月、バリアブンタウ省の30万m2の敷地に日産500トンの板ガラス(建築・住宅用)工場が稼動生産開始している。国内需要が冷え込んだ秋以降は、海外輸出にも廻し生産は維持されている。


3. 自動車産業


ホーチミン市では、自動車36万台、バイク350万台の登録台数がある。好景気により商用車を中心として自動車販売は順調に伸び、2008年はベトナム現地生産だけで10万台を突破した。完成輸入車4万2千台と合わせれば、年間15万台の市場になる。前年比150%近い成長である。08年は8月にハノイでベトナム自動車工業会(VAMA)自動車ショーが開催され(写真参照)、各社最新モデルを展示、モーターリゼーション到来を彷彿させる非常に活況あるショーとなった。09年はホーチミン市の7区の新展示場で行われる。ベトナムニューリッチ層は、高級車を好み、ロールスロイスを空輸で注文、税金を含め現金で1億円以上支払う光景があった。
一方政府の政策は、急激な自動車普及を制限する方向で動いた。元来、自動車を贅沢品と見なし、特別消費税を50%(乗用車)掛けているが、輸入税、付加価値税を含めれば、小売値は、現地組立生産品で元の値の2倍以上、完成車輸入品では3倍以上にもなってしまう。現地組立自動車が高価になることに対し、一部マスコミ等から批判を受け、またインフレの原因にもなっているとも言われ、販売価格を下げざるを得ないような政策が打ち出されてきた。年初、完成車輸入税は60%にまで下がり、一気にポルシェ、フェラーリ、ベントレー等高級車輸入量が増えた。しかし政府はまた段階的に輸入税を上げ、70%、83%、そして08年末現在では90%にまで戻っている。
排気ガス等公害問題、交通渋滞問題から、急速な自動車の普及を抑えるため、08年7月より排ガス基準をEURO2に設定し、この検査に合格しない車は、車両登録できなくなった。これにより古い中古車や旧型車は、次第に道路から消えていく。交通渋滞問題は、道路整備網の遅れや、駐車場不足、今現在進行中の下水工事も主要な原因である。今秋の国会では、特別消費税の改定が行われ、2000cc以下の乗用車は45%に下げ、3000cc以上には55%に上げるとした。中型・小型車が今後、普及し易くなるということである。一方では12月、自動車登録税を10%から12%まで上げること、さらに2009年より商用車の付加価値税をこれまでの5%から10%に値上げされるということにより、効果が相殺されてしまっている。