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部会別報告
第四工業部会

 

1. 部会紹介

第四工業部会は、2008年9月に開業17周年を迎えたホーチミン市7区にあるタントゥアン輸出加工区(以下TTZ)で操業する日系企業で構成されている。
TTZで投資ライセンスを取得している会社は148社にのぼるが、08年末現在で操業しているのは120社である(日本53社、台湾44社、韓国7社、その他16社)。現在ホーチミン日本商工会(以下JBAH)加盟49社(正会員46社、準会員2社、準部会員1社)が第四工業部会の活動を行っている。*データは08年11月30日現在、TTZ管理会社(TTC)より
会員企業の業種は縫製、電気電子、IT、自動車・機械部品、プラスチック、飲料・食品、医療機器、資包材等と多種多様な業種からなり、従業員も40人から数千人と企業規模の大小が入り混じっている。
以上のような会員構成の中、同業者間、異業種間と情報交換、共有を図るとともに会員間の親睦に努め諸問題の解決を図る活動を実施している。


2. 労働争議多発の2008年幕開け


08年1月初頭に、ある会社において他社の募集条件に端を発し、従業員から給料アップの要求が出され、回答を検討している段階で通告なしに違法労働ストに突入した。
その争議解決のためにホーチミン市工業団地輸出加工区管理委員会(HEPZA)が対応支援で現場に乗り込んで来たものの、収拾がつかず益々エスカレートしてしまった。
この一社を起点にその後、続々と同様の違法ストが発生した。そしてある会社で妥結した賃金アップ率20%が、メール、携帯電話を媒体として域内に広まり、会員会社のほとんどがスト収拾と防止策として20%の賃金アップを呑まざるを得ない事態に陥ってしまった。
06年から違法労働争議防止の目的のため、当時の塩崎総領事の肝いりでHEPZAを中心に、ホーチミン市7区の人民委員会、公安、TTCそれに我々第四工業部会理事によるタスクフォースを立ち上げた。しかしこの労働争議の事態には、タスクフォースが実質的に機能せず、課題を残した。
結果的に山猫ストに突入した企業数は会員で15社ほどで、台湾系企業を併せるとここTTZで20数社がストに巻き込まれた。
最終的に在ホーチミン日本国総領事にJBAHより依頼して、08年1月28日に水城総領事とホーチミン市人民委員会の会合が持たれることが決まった25日を機に、労働争議は終息した。


3. 夏場に掛けての消費者物価高騰騒動


07年末ごろから上昇していた消費者物価の高騰は6月の米騒動、7月のガソリン価格の33%の上昇でピークに差し掛かり、テト前の賃金アップ20%が何処かに吹っ飛んでしまう結果になり、工業団地内に一触即発の不穏な空気が漂った。
緊急に部会を開催し、物価高騰の急場を凌ぐ対応策を協議し、会員会社の75%が何がしかの手当てを施し、労働争議への発展を未然に防いだ。


4. 労働者過不足に泣いた2008年

消費者物価の高騰にともなって、ホーチミン市での生活苦から故郷へ帰る人が増え、さらにWTO加盟後の外資系の進出ラッシュが重なり、新規採用がままならず稼動維持に苦労する企業が増えた。
しかし、10月を境に世界同時不況の影響がここベトナムにも波及してきて、年末を迎える頃には逆に受注減から稼動維持ができなくなり、人あまりで困る企業が出始めている。
08年は物価高騰と従業員の雇用過不足で、まさに労務問題対応に明け暮れた部会の活動であった。


5. 親睦とチャリティー活動

第四工業部会会員間の親睦を図るとともに、ベトナムの地にお世話になっている企業として地域社会に貢献することを目的に下記活動を行っている。

(1) チャリティーゴルフコンペを年4回開催し、少しでも多くのチャリティー資金を提供できるように工夫して実施している。
(2) JBAH主催のチャリティーバザー等において、応援人員派遣並びに商品提供に努めている。
(3) 会員相互の親睦と情報交換を図るため、会食機会の設定と、年末には親睦忘年会を開催している。


6. 今後の活動

第四工業部会には08年度に1社が新規に加入し、1社が退会し、49社で変わらない。ほとんどの会員会社がTTZの中に存在しているので、今後とも地域共通の課題解決に向けて情報の共有化を図るとともに、会員会社に有益な結果を得ることができる一致団結した活動を展開していきたい。
世界同時不況の影響を受けた不透明な経済環境の下で、しばらくは激動が予想されるが、HEPZA、JBAH、ジェトロおよび総領事館のご支援をいただきながら、ベトナムの発展、進出企業のさらなる発展に少しでも貢献できる部会活動でありたいと考えている。