JCCH会頭として2期目を拝命することとなり、身の引き締まる思いでおります。微力ながら、引き続きJCCH、および日越関係のさらなる発展のために全力で取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
昨年は、日越の絆をいかに深めるかという「深化」をテーマに掲げ、活動に取り組んできました。今期は、その積み重ねてきた信頼を礎に、変革を成し遂げるための具体的かつ力強い一歩を踏み出す「行動の年」にしたいと考えております。
現在、ベトナムは大きな変革の只中にあります。地場大手のビングループやTHACOグループは高速鉄道など大型インフラ事業に名乗りを上げ、IT大手のFPTは大規模データセンターを建設するなど、彼らはまさに走りながら行動し、猛烈な勢いで変革を起こしています。
「本当に実現できるのか?」といった声も聞きますが、かつての日本や韓国、中国が辿った道でもあり、ベトナムも「中所得国の罠」を脱して自立した経済大国へと進化すべく突き進んでいます。こうした変化に対して私たちが「まだ早いのではないか」と傍観しているだけでは、気がつけば取り残されてしまうのではないかという危機感を抱いています。
ベトナム政府も「ドイモイ2.0」として、科学技術・イノベーション、国際統合、民間部門の発展、立法と法執行という4つの柱を打ち出しました。この変革への明確な国家目標に対し、私たち日系企業がいかに寄り添い、ともに成長していけるかが、今問われているのではないでしょうか。
そのためには、日本側の意識にも変革が不可欠なのかもしれません。これまでの「日本流」を基本とした管理型のアプローチだけでなく、人材に「あなたならどう考えるか」と問いかけ、当事者の主体性とコミットメントを引き出していく姿勢も大切になってくると思います。
変革と言葉でいうのは簡単ですが、変えるのは決して容易ではありません。それが自分事になって「やりたい」と思う気持ちが生まれると人は真剣になる。かつて昭和の経営者たちが持っていた「やってみなはれ」という度量こそが、今の変革期には求められているのではないでしょうか。
日本に目を向けると、今後10年で就業人口が最大約600万人減少すると言われています。日本国内だけで完結するビジネスモデルは、人口減少により、ますます厳しさが増す中で、ベトナム人材やベトナム市場との「二国一体経営」のような、より密接で新しい協力関係を築いていくことも重要になっていくのではないでしょうか。
激動の2026年において大切なのは、ベトナムの人々の意志に寄り添いながら、ともに変革へのチャレンジを続けていくことだと思います。それが日越の絆をさらに盤石なものにし、互いの未来を切り拓く道になると考えています。
JCCHは会員の皆様とともに、「行動」の先頭に立って邁進していく所存です。皆様の積極的なご参画とご支援を、心よりお願い申し上げます。
ホーチミン日本商工会議所会頭
久米 邦英(ベトナム三菱商事)
ホーチミン日本商工会議所会頭
久米 邦英(ベトナム三菱商事)
私は今回が二度目の赴任で、前回はベトナム三菱自動車の販売責任者として2014~2019年に駐在し、ベトナム全国約50省を駆け巡っていました。公私共にベトナムは初めての国、未知の国でした。私は幼少期を含めて26年で海外9か国に住みましたが、アジアではベトナムが初めてでした。
住んで感じたのが、ここは日本人が好きになれる国であり、かつ日本人を好きになってくれる国ということでした。ベトナムは、経済的にはASEANに属するものの、儒教と大乗仏教の価値観が根幹にある日本と同じ東アジア民族の仲間であり、その発展もそれに追随するのだと強く意識したのです。
2024年4月、三菱商事のホーチミン支店長として再赴任しました。赴任に際しては、とても前向きでした。過去5年間は新型コロナや2022年の金融引締めもあってベトナム経済は停滞期でしたが、2011年の金融引締め時も回復には約2年を要したことより、2024年半ば頃には景気が回復すると信じていたからです。
もちろん、他の国に比べて各段に事業の成長や創出の機会が多く、仕事が面白いことも理由です。2024年のGDP成長率は約7%、2025年は目標を8%に引上げました。その後は10%を目指しています。新書記長により政治体制が刷新され、経済の基盤も強化され、混乱も予想されますが省庁再編など新たな改革にも積極的に挑んでいます。
ただ、米トランプ大統領による関税の発動等動きが読めない世界情勢の中で安心はできず、様々に手腕が問われる時代になります。簡単には前に進めなくても、この国の成長は勤勉な国民が知恵を絞って牽引しています。前進する努力を惜しまず、時には耐え忍ぶ必要も理解している人たちです。
この人たちと共に未来を創りたい。日本は人口減が進行して、働き手が減り続けることはデータが証明しています。地方を中心に加速する人口減と市場の縮小を補う上でのベトナム人材とベトナム市場はますます重要となり、海外への生産移管を考えればやはりベトナムが重要な候補となります。一方、日本各地の企業や当地日系企業は、ベトナムの方々が活躍する場を提供できます。この日本の課題を克服するためにも、JCCH会員企業の皆様と共に日越による未来創りに全力で取り組んで行きたいと思います。
共に未来を創る上で大切となるのが日本とベトナムの絆、即ち相互による信頼です。今日までの良好な歴史関係に加えて、文化的に類似し、国同士の親和性が高く、国民は互いに相性が良い。日本で就労する外国人約230万人のうちベトナム人は最多の60万人弱おり、既に日越の絆は他国以上に深いものと考えます。
当地においても、JCCHの諸先輩方が長年かけて築き上げてきた絆を、JCCH会員企業の皆様と共にさらに深化させて行きたいと思います。
JCCHにおいては4つの活動方針を掲げています。①会員同士の情報交換・親睦、②投資・事業環境の改善、③日本人社会への協力、④ベトナム社会への貢献で、この方針に沿って様々なイベントを開催しております。
私も微力ながら全力でJCCHの活動に貢献いたしますので、是非皆様にも積極的にご参加頂き、ご支援を頂きたくよろしくお願い申し上げます。